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外国人がちゃんと読んでくれる「パンフレット 」の 「 英語化」の方法

外国人がちゃんと読んでくれる「パンフレット 」の 「 英語化」の方法

パンフレットの「英語化」が上手くいかないのはなぜでしょうか?

海外向けに「英語化」はされていても、外国人に読んでもらえない英文パンフレットをよく見かけます。

この原因は、ずばり日本語パンフレットをそのまま「翻訳」してしまっているからです。

私は前職で在外法人のチラシや広告作成も担当していましたが、日本語から英語へ文言を英語化する作業は、決して容易ではありません。なぜなら、言葉のニュアンス、タイトルの付け方、写真の使い方など、外国の人の興味を引くポイントが日本人の場合とは異なるからです。

日本語のパンフレットを英語化するにあたり、一語一語を正確に訳す「翻訳」ではなく、(外国人の)読み手のことを考えた「クリエイティブトランスレーション」と呼ばれる作成法が重要なのです。

そこで今回は、栃木県佐野市の第一酒造さんの日本語パンフレットを英語化した際の「クリエイティブトランスレーション」の例をご紹介します。

海外に酒蔵の魅力をどう伝える?

1.  興味をひくストーリーを考えてみよう

最近では日本酒を海外に輸出する蔵が増え、香港・ロンドン・NYといった大都市では同業者間での競争が激化しています。

したがってこのような競争に打ち勝つべく、各蔵は、海外の業者さんや消費者の皆さんに自社の特徴を覚えてもらえる「興味をひくストーリー」を伝える必要があります。

英語化をするまえの酒蔵の日本語パンフレット

とはいえ難しく考える必要はありません。

蔵(会社)の成り立ち、長い歴史のなかで乗り超えてきた困難、水やお米・製法へのこだわり、その土地ならではの伝統、理念、社会貢献活動などのトピックを選定し、「へえ、なるほど」と相槌を打ってもらえれば、より相手の興味をひくことができます。

2.  外国人に伝わるキーワードは同じではない!

「ストーリー」ができたら、その内容が外国人の興味をひくかどうかを考えてみます。

その前に、いったんここで日本人の興味をひくキーワードを拾ってみたいと思います。

「蔵の歴史」というセクションに登場する下記の文章をご覧ください。

「蔵の歴史」

江戸時代初期の延宝元年(1673年)に創業の栃木県内最古の老舗酒蔵です。1673年は四代大将軍徳川家綱の時代で、江戸では呉服屋「越後屋(三越の原点)」が開業。アメリカ独立戦争(1776年)までは100年以上あります。江戸時代、渡良瀬川から利根川への河川流通によって江戸へ運ばれ、関東の酒処として栄えました。…

と続く文章。

一般的な日本人にとって、関心をひく紹介文(ストーリー)だといえるでしょう。

ここで挙げた「江戸時代初期」「栃木県最古」「徳川家綱」「江戸の呉服屋」「アメリカ独立戦争」「越後屋」というキーワードからは、この酒造は「歴史のある酒蔵なんだな」と想像することができます。

しかしながら、このうち外国人が理解出来るキーワードは、どれくらいあるでしょうか?

おそらく「アメリカ独立戦争」しかありませんね…

さらにいえば、「延宝元年」「四代大将軍」「三越の原点」「渡良瀬川から利根川」なども、外国人にとってはどうでもいい情報です。

もしこの文章をそのまま「翻訳」していたら、外国人に読んでもらえない残念な英語パンフレットになってしまうでしょう。

3. クリエイティブトランスレーションの「3つのルール」

このように「たんなる翻訳だけでは、外国人に伝わらない」ことがわかります。

ここで私が使っているクリエイティブトランスレーションの「3つルール」をご紹介しましょう。

ルール 1:書き出しの最初の1,2文は、相手にスムーズに伝わることが重要。

ルール 2:外国人が分からないような内容やキーワードは、思いっきって削除する。

ルール 3:情報が正確に伝わるように、補助説明やキーワードを追加する。

いずれもシンプルなルールですが、上手に相手に伝えるためには、時としてざっくりメスを入れる勇気も必要です。

そして、上の3つのルールに従って、「英語化」したのが下の文章です。

尚、英語文と下の日本語訳を原文と比べると、文脈を並び替えたり、伝わらないキーワードを省いたり、新しいキーワードを追加したことがわかると思います。

Established in 1673, more than 100 years before the US Declaration of Independence, our brewery has a rich history and culture of 340 years. It is also the oldest and longest running brewery in the prefecture. Back in the day, the 4th Shogun Tokugawa Ietsuna was in office and our sake was carried to Edo by boat down the Tone River where it was drunk by Samurai worriers and locals living in Edo (Edo became Tokyo in 1868).

アメリカ独立戦争の100年以上も前の1673年に設立された当酒蔵は、約340年という長い歴史と文化を引き継いできています。酒造りが続いている酒蔵としては、この地域で最も古い酒蔵です。その当時は徳川家綱という四代目の将軍が日本を治めており、私達のお酒は船によって利根川を下った後、江戸の侍や庶民に飲まれていました(1868年に江戸は東京という名称に変わりました)。

解説:

はじめの一文では、「歴史のある酒蔵なんだな」と想像してもらえるように、欧米人にイメージしやすい「アメリカ独立戦争」というキーワードを文章のはじめに持ってきた。

さらに、「340年」と歴史の長さが客観的に分かるように表記し、歴史と文化を受け継いでいることをアピール。また、日本史にしか登場しない元号・キーワード・地元の固有名詞などをできるだけ使用しないようにした。

ここでの英文キーワードは「1673年」「アメリカ独立戦争」「340年」「最も古い」「将軍」「侍」となっている。

まとめ

「英語パンフレット」制作時における「クレイティブトランスレーション」の重要性がお分かりいただけましたか?

英語パンフレットの作成は、なにも酒蔵の海外進出に限った話ではなく、海外に目を向けたビジネスであれば、今後も重要な課題になります。その際には、日本人向けの説明から、海外の人が興味を持つ内容に調整することがポイントです。

もし懇意にしている翻訳家がいる場合、原文の日本語原稿をそのまま渡すのではなく、翻訳に出す前に海外の方に伝わりやすい原稿に直してから翻訳もらうとよいでしょう。

しかしながら、普段お願いしている翻訳家がいなかったり、外国の人が興味をひくポイントが分からないという場合には、皆様のご要望に合わせてお手伝い出来ますので、一度お気軽に弊社ジャパン・ワールド・リンクまでご相談ください。

ご参考までに:当ブログ記事は「翻訳だけでは伝わらない、英語パンフレットの作り方」のセミナーでお話させて頂いている内容を少し掘りさげました。

ブログ作成者:宮地アンガス

ジャパン・ワールド・リンク株式会社 代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「世界から北関東へ。北関東から世界へ。」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。

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