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インバウンド観光客が少なくても、今のうちに知っておきたい「オーバーツーリズム」とは?

インバウンド観光客が少なくても、今のうちに知っておきたい「オーバーツーリズム」とは?

「オーバーツーリズム」という言葉を聞いたことはありますか?

日本ではそれほど問題になっていませんが、海外の観光業界では「オーバーツーリズム」が問題になってきている地域もあります。

訪日客数がどんどん増え続けると、日本でも「オーバーツーリズム」の問題が突如現れることが考えられますので、そのようになる前から、既に起きている世界の事例や取り組みから学ぶことが重要です。

私はSkift社(旅行業界向けに世界の情報を発信している会社)のポッドキャスト番組を愛聴しておりますが、先週は、世界の「オーバーツーリズム」がテーマでした。

北関東圏や訪日客が少ない地方の観光地についてオーバーツーリズムの課題は「まだ少し先の話」かもしれませんが、観光客が増えてくると対策をとる必要が出てきますので、本日はSkiftのポッドキャスト番組の内容を紹介しながら、「オーバーツーリズム」について考えてみたいと思います。

*ブログの最後に番組へのリンク(英語)を貼っておりますので、関心がある方は聞いてみてください。

Overtourism(オーバーツーリズム)とは?

オーバーツーリズムを日本語一言で表現することは困難ですが、大まかなイメージとしては「観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態」を指します。

オーバーツーリズムは北関東圏にとって、直近の心配事ではないものの、京都の一部地域など観光客が増えすぎたことにより弊害が出てきている場所もあります。例えば、町内のインフラに負担がかかりすぎたり、渋滞がひどくなったり、ゴミが増えたり、景観が損なわれてしまったりして、地域住民や訪れる観光客から不満が出てきている場所が出てきているのです(例えば、「観光消費1兆円の京都市、大混雑でブランド棄損の危機に」ビジネス+IT)。

しかし観光(特にインバウンド観光)は同時に、地方創生に欠かせない「大切な地方の収入源」であることも明確です。

つまり地域を疲弊させずに「地域の持続可能な成長」を目指すことが重要なのです。

観光客で混み合うベネチア( オーバーツーリズム の例)

無防備なのが一番怖い!

アイスランド、ニューヨーク、ギリシャ、ベネチア、アンコールワット、タジマハールなど、手に負えないほど観光客が増えしまったのは何故でしょうか?

その理由として、

・LCC (格安航空会社)の航路拡大

・経済的に余裕のある中間層が世界中で増えて、観光頻度が増えている

などの理由が挙げられます。

上のような地域では、インバウンド観光客が増えたときの対応策が不足していたため、観光客の絶対数が増えたにも関わらず、インフラにかかる負担などがまかないきれず、経済的に損になってしまったという事例もございます。

例えば、ヴェネチアはクルーズ船で寄港することが人気ルートのひとつですが、クルーズ船が停船すると膨大な数の観光客が一度に降りるため、ヴェネチア市内でトイレが不足したり、下水道のシステムがパンク状態になるそうです。下水道のインフラを整備したり、トイレを増やすためにはお金がかかります。観光客一人当たりから得ている利益を考えるとその金額は決して安くはありません。

観光客が増えると、地元地域にかかる負担も増えるため観光客が増えたときの対処が出来るような長期戦略を考えておくことが大切です

オーバーツーリズム の3つの対策法

どう対応すれば・・・?

オーバーツーリズムが手に負えない事態になるのを未然に防ぐには、どうすればいいのでしょうか。

最後に、番組で取り上げられていた3つのポイントをご紹介します。

 

1.地域にお金が落ちるような戦略を考える

観光客の絶対数だけを見ていると、前述のヴェネチアのようにインフラが疲弊し、それを直す予算が足りない状態を作ってしまうことになりかねません。

最近、京都でも宿泊税を徴収することになりましたし、日本の空港でも出国税を払うことになりましたので、この財源を上手く活用してほしいものです。

さて、オーバーツーリズムで悩んでいる観光地の場合は、「観光客から得た利益をプロモーションやマーケティングに使い、さらに観光客が増える」という悪循環を作り上げてしまっている例もあるようです。

持続可能な成長ができる観光地を目指すには、一部の予算を地域の負担軽減にまわせるようにする必要があり、データの共有などを通し、自治体と連携しながら観光客の受け入れ戦略を考案するのが理想です。

 

2.近くの観光エリアとの協力

観光客が来ること自体を止めることは困難です。そのような場合近くの地域と協力し、観光客を分散させるのも一つの手です。

近隣の観光地に観光客が行き来しやすくなるようにインフラや交通網を整備すれば、一点に人が集中してしまうことは避けられます。

現在、日本の各地で作られている広域観光圏はこの役割も担えそうです。

 

3.Airbnbのような民泊業者との連携

宿泊だけでも中心街以外へ分散させるのも策です。

Airbnbなどの民宿業者や農泊事業者と協力して郊外の宿を増やし、中心街のキャパが超えそうな時には少し外へ人を流せるように準備しておくと安心です。

まとめ

2017年は国連における「持続可能な観光国際年(2017 International Year of Sustainable Tourism for Development)」でした。

「持続可能な観光 (観光のサスティナビリティー)」とは、地域住民のQOL(クオリティーオブライフ | 生活の質)を高める観光産業の発展を意味すると私は思います。

今日本の観光地で行われている「地産地消」「広域連携のプロモーション」「宿泊税」も観光地のサスティナビリティーに繋がる活動ですが、北関東圏では維持可能な観光を続けるために、日帰り客から宿泊客へ移行させ、地元にお金が落ちるようにすることも急務だと思います。

また、今はまだ観光客が少なくても、今後急激に増える可能性がある自治体は、前述しました「オーバーツーリズム」について対策を少しずつ考えたり、オーバーツーリズムが問題になっている自治体の視察をしたり、世界の成功事例などを研究してみてはいかがでしょうか。

本日紹介したSkift社のポッドキャストはこちらから聞くことができます。

ブログ作成者:宮地アンガス

ジャパン・ワールド・リンク株式会社 代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「世界から北関東へ。北関東から世界へ。」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。

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