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Airbnbが日本で乗り越えないといけない3つの問題

Airbnbが日本で乗り越えないといけない3つの問題

前号に引き続き民泊(Airbnb)の話題です。

今年2,400万人を超えると言われている外国人旅行者数。東京・大阪のホテルは満室が続き、一泊の値段も高騰。出張で東京・大阪に行くビジネスパーソンも困っています。

政府は、2020年までに4,000万人2030年に6,000万人という外国人旅行客数の目標を立てているため、民泊を活用しないと泊まるところがないと言われています。民泊業界最大手、世界の33,000都市でサービスを展開しているAirbnb(エアビーアンドビー)も、日本では自治体と対せず、一緒に協力しながら成長していく戦略をとっています。

例えば、2016年10月20 日には、Airbnb(エアビーアンドビー)は、岩手県釜石市と観光促進に関する覚書を締結しています。

前号では、「日本と欧米の民泊事情の違い」や「Airbnbの新サービスTrips」について書かせていただきました。今号は、私が毎週聞かせていただいている、ティム・ロメロ氏のポッドキャストDisrupting Japanの番組「What Airbnb’s Japan Problem Can Teach Your Startup (あなたのスタートアップが、日本のエアービーアンドビーの問題から学べること)」を通して日本でのAirbnbについて発見したことや感想、考えさせられたことなどを述べさせていただきたい思います。(ティム・ロメロ氏の英語ブログ全文はこちらでご覧になれます)

日本でのAirbnbの成長は順風満帆?

Airbnb(エアーアンドビー)は日本で随分知名度があがってきました。ティム・ロメロ氏によると、Airbnbの日本の登録数は、ここ1年で500%の伸びを見せるなど急成長しております。また競合と比べて約15 倍のサイト閲覧数があるなど、日本の民泊マーケットで圧倒的シェアを持っております。

テレビでも「民泊」というトピックで、ほぼ必ず一緒にAirbnb社が取り上げられるなど、多くの方は、民泊=Airbnbという感覚をお持ちだと思います。

しかし、ロメロ氏は、今後18ヶ月の間にこれまでの急成長の反動が起き、Airbnbは日本で危機を迎えると警告しています。

メディアで報道されずに静かに進行している、日本市場特有の深刻な問題があるというのです。

日本の文化やビジネス風習を理解しているロメロ氏が主張する、Airbnbに対する「3つの反動 (問題)」とは一体なんでしょうか?

Airbnbは近所に迷惑と不満を及ぼす危険行為!?

日本のAirbnbの登録の90%が違法であるとも言われています。京都市の京都市民泊施設実態調査でも旅館業法上の許可施設は7%しかなく、残りの93%は違法性の可能性があるとの報告があります。

ロメロ氏によると、ここのところ違法民泊の取り締まりが強化され、一軒のマンションから数件の強制退去が起きることも珍しくないという。 マンションからの強制退去は日本では珍しい強行手段であるが、 無許可の民泊営業は、近隣住民を「危険にさらす」行為に当たるとして、仮に裁判になったとしても、強制退去を免れない可能性が高いというのである。

この「近隣住民を危険にさらす迷惑行為」というレッテルを貼られていることは、今後Airbnbが日本で展開する上で厄介なことなのである。

日本人の特質とでも言いましょうか、前衛的なアイディアやこれまで例のない取り組みが提案されると、行政やメディアは、初めに他人への「迷惑」や「不便」という可能性を考える。ほんの少しでもリスクが含んでいると感じると、個別対策を示すことができても、それを「危険行為」とみなしてしまうことが多い。

行政が、規制強化の方向に動くと、現時点では「迷惑なAirbnb業者を追い出せ!」と民意はアンチAirbnbに大きく傾く可能性がある。Airbnbを使って部屋を貸している人たちは、お小遣い稼ぎをしている「普通の一般人」として見られておらず、近隣住民を危険にさらす、他人のことを考えない自己中心的な悪人と見られている可能性が高い。

ロメロ氏によると、Airbnbが「危険なもの」だという思い込みが日本で強まることこそが、1つ目の反動(問題)だと主張している。

匿名性の強い日本のAirbnbのホスト(貸し手)

Airbnbの登録数が最も多い東京都のトップである小池知事が、今後どのように民泊・Airbnbのガイドラインを策定するかは静観する必要があるが、ロメロ氏によると、規制強化に走る可能性があるという。

ここで、日本ならではの2つの目の問題が起きる。

外国の都市で民泊を規制しようとする際、自治体は住民に対して公聴会を開く。日本でも住民説明会など同じようなシステムがあるが、日本が違うのは、Airbnbのホスト(貸し手)はそのような会にあまり出席しないことだとロメロ氏は言う。海外ではAirbnbのホスト(貸し手)が公聴会に押し寄せ、民泊の必要性や安全性を訴えるのに対し、日本ではそうならない。匿名性を好む日本人の特質を表しているのか、ほとんどの人は、自分がAribnbをやっていることを知られたくないので、参加しないのである。

つまり、Airbnb(民泊)の貸し手の声が、行政まで届かないといった問題が起きる。

Airbnb=外国人旅行者用とみられている問題

ロメロ氏によると、3つ目で最も大きい問題(反動)が、Airbnbは外国人旅行者向け専用サービスとして見みられている点だと主張している。

前号のブログ「民泊はまだ現在進行形!Airbnbの新サービス(Trips)から見えてくる民泊の行き先」でも触れましたが、海外で「Airbnb」は、「Sharing Economy (共有型経済)」「Millenials (1980年代から2000年代初頭までに生まれた若者)」という言葉とセットで語られることが多く、トレンディーな印象がある。それに対し日本では「Airbnb」と「外国人旅行客」、「ホテル不足」がセットで語られることが多い。

つまり、日本で民泊(Airbnb)は、今のところインバウンド(外国人観光客の集客)ツールでしかない。

一般の日本人にとっても民泊が旅行のひとつの選択肢になるには、Airbnb社からも日本人の意識を変える努力(キャンペーン)が必要であり、これがなければ、Airbnbは外国人向けのサービスでしかなくなる。このことは、長期的に民泊やAirbnbのイメージ悪化につながる可能性が高い。

日本人旅行者のAirbnb利用が増えれば、どうやって近隣住民の迷惑にならないようにするか対策を練る等、議論を建設的な方向に向かせることも可能だが、外国人向けサービスと認識される限り、Airbnbのホスト(貸し手)にますますプレッシャーがかかる可能性が強いのではないかとロメロ氏は心配する。

まとめ

今回、2回にわたって民泊とAirbnbについて取り上げました。民泊の将来性や問題点など多岐にわたったトピックについて触れることができたのではないかと思います。

一番強く思うことは、私たちが知っている民泊は今後どんどん進化していくということです。前号でも触れましたが、民泊と既存の宿泊施設とのコラボレーションなど一つの例です。また、NIPPONIAのような街を一つのホテルに見立てるようなユニークなコンセプトもあります。

民泊の今の形態だけを見ずに、今後どのように変わっていくかを柔軟に考え、民泊の流れで生まれるチャンスをぜひつかんで頂きたいと思っております。

外国人旅行客をもっと増やしたい方、外国人旅行客がもっと喜ぶサービスを提供したい方、ぜひ弊社ジャパン・ワールド・リンクまで、お気軽にご相談ください。

ブログ作成者:宮地アンガス

ジャパン・ワールド・リンク代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「世界から北関東へ。北関東から世界へ。」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。

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