インバウンドブログをリニューアル。題して「北関東のインバウンドを10倍にしよう!」!毎週月曜夕方更新でお届けいたします。今回はなぜこのコロナ禍においてインバウンドブログを再開することにしたのか、社長の宮地アンガスとスタッフ山内が対談しました。
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)のCEOから「地方のインバウンド」についてアドバイスをいただきました。
日本の地方創生にインバウンドが必要不可欠である時代がやってくるとしたら?
このまま日本の超高齢化社会が進み、生産人口が減ると、地方は税金の減収に苦しむことになります。
しかし同時に、日本の多くの地方はインバウンドという、新たに大きな収入源を獲得できる可能性もあるのです。
ところが、日本はまだインバウンドの取り組みの歴史が浅く、ノウハウも少ないです。また、新しいテクノロジーの台頭や世界の旅行者の好みも多様化しているため、これまで培われた国内旅行業界の常識もあまり当てないならないのが現状です。
そのため「なにから始めたらよいのか…」と悩んでいらっしゃる地方のインバウンド担当者も多いのではないでしょうか。
実は、先日とある会合で、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC, World Travel & Tourism Council)のCEOディビッド・スコースィル氏に「日本の地方(北関東)のインバウンド戦略」について同じ質問をする機会がありました。
そこで本日のブログでは、私のお送りした質問とデビット・スコースィルCEOから後日頂いたご回答(日本語に翻訳)をご紹介したいと思います。地方がインバウンドを成功に導くために、どうしたらよいか、世界の旅行事情に精通されていらっしゃる「プロの目線」をぜひご参考にしてください。
ディビット・スコースィルCEOへの質問 (和訳)
最近私(宮地)は、北関東の観光協会、商工会議所、観光課、旅館、ホテル、飲食店、観光アトラクションなどをまわり、外国人観光客の誘客についていろいろとお話を伺っています。
嬉しいことにお会いした方は全て、お役所の方も民間の方も、皆さん自分たちの所に外国人をもっと呼びたいと強く感じております。
しかし、世界遺産のように世界的にも知られている観光地でない限り、インバウンドの経験がない地域の皆さんは「どのようなことから始めたらよいのか」と悩んでいらっしゃるように感じることがよくあります。
そこで、北関東のようなところにある、インバウンドの経験が少ない日本の町が、外国人観光客を増やすための「はじめの一歩」として、何をしたらよいのでしょうか? 世界の観光を熟知しているご経験から日本の地方でインバウンドに関わっている皆様へアドバイスを頂くことはできますでしょうか。
ご回答 (和訳)
そうですね、プロダクト(観光地・観光コンテンツ)を明確にしていくために、私はまず下の4つをお勧めします。
- まず、ローカルのビジネスなどから、すでに訪れている外国人のお客さんのタイプ、彼らの行動、訪れている時期についての聞き込みをすると良いと思う。このような聞き込み調査を実施することで、ざっくりとした今のインバウンド客の情勢が見えくるので、この情報を今後の基礎にすることができる。また投資も少なく、波が少ない国内旅行者の誘致を基盤とするとよい。
- 次に、近くの町に訪れている外国人観光客に目を向けてみましょう。彼らは近くまで来ているので、自分たちの観光コンテンツに呼び込むのは比較的簡単なはずです。また、あなたの観光コンテンツや観光地に好意を寄せてくれやすいです。同時にアクセスの良さもとても重要です。車や電車、飛行機を使って来ることができないお客を呼び込もうと思っても意味がありませんね。
- そうしましたら、訪れてほしい観光客に、自分たちの観光コンテンツを批評してもらいましょう。地域の観光開発担当者にとっては、外者目線で自分の地域を見ることが困難なため、観光客から見て特に魅力のない「普通の場所」でも、非常に綺麗な場所だと信じ込んでいたり、文化的な要素が珍しく、とても興味深い場所だと誤解していることがよくあります。そのため、他の場所より本当に興味深いのか、あるいは本当に珍しのか、そのような判断ができる外者の力がとても役にたってくるのです。
- 最後に、「体験型」と「本物志向」が非常に重要になります。「有形」のものがあまり存在していなくても優れた観光コンテンツを作り上げることは、多くの場合可能です。人は、料理、工芸、言葉(日本語)、ウォーキング体験やアクティビティを体験すると、有名な遺産や有名な観光名所に行くのと同じくらい興奮するのです。特に、欧米人ほどこの傾向が強いですよ。
- それでは、うまくいくことをお祈りしています。
まとめ
本日のブログはいかがでしたでしょうか。
すでに取り掛かっているようなインバウンド事業もあると思いますし、「なるほど」と頷かせる内容もあったのではないでしょうか。
特に「観光客からの批評」と「体験型・本物志向」ということがポイントだと私は感じました。
「観光客からの批評」は、不安を感じるかもしれませんが、お客様の生の声ほど役にたつフィードバックはないかと思います。
「体験型・本物志向」は国内でも最近よく言われていることですが、柔軟に発想していければ、北関東は「これまで日本に無いような観光コンテンツ」を多く作れる地域ではないかと思っております。
ブログ作成者:宮地アンガス
ジャパン・ワールド・リンク代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「海外と日本を繋ぐ!」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。
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