インバウンドブログをリニューアル。題して「北関東のインバウンドを10倍にしよう!」!毎週月曜夕方更新でお届けいたします。今回はなぜこのコロナ禍においてインバウンドブログを再開することにしたのか、社長の宮地アンガスとスタッフ山内が対談しました。
2018年、北関東圏インバウンドステップアップ宣言!ジャパン・ワールド・リンクからの「10の提言」
全国としては、訪日客数が堅調に伸びた2017年。
2017年は全国の訪日観光客が2,800万人を超え、2014年からの3年間で2倍以上に増えています。
このまま順調に訪日客が増えますと、2020年に4,000万人という政府の目標も達成すると見込まれています。ところが、観光データを深掘りしますと、地域によって「インバウンド観光格差」が生じていることも分かってきております。
実は、北関東圏もこの「インバウンド観光格差」の原因である伸び悩む地域のひとつなのです。
北関東圏のインバウンドは、いま危機を迎えている
新聞等の報道からは、訪日客数は右肩上がりで伸びており、全国の地方経済もインバウンドの恩恵を受けている印象を受けます。ところが観光庁の直近の外国人観光客延べ宿泊者数のデータを分析すると、実際は北関東圏の訪日客数は停滞を続けており、深刻な状況になりつつあるのです。
栃木県、茨城県、埼玉県、群馬県の北関東圏のインバウンド観光は、まさに正念場。
観光庁が集計している外国人観光客延べ宿泊者数のデータを見ますと、北関東圏(栃木県、茨城県、埼玉県、群馬県)の直近1年間(2016年10月-2017年9月)の数値は、90万2千人泊(4県の合計は長野県の1県の約3/4とほぼ同等です)でした。県別の延べ宿泊者数は、群馬県(27万人泊)と埼玉県(21万人泊)が前年比増加、栃木県(24万人泊)と茨城県(18万人泊)は前年比減少しています。
自然災害の影響以外で外国人観光客延べ宿泊者数の数が前年を割り込むのは珍しい現象です。例えば、外国人観光客延べ宿泊者が年間50万人泊未満であった26県のうち、直近の1年間で5%以上減った県は、「栃木県」「茨城県」「島根県」「三重県」の4県だけでした(三重県については、伊勢志摩サミットの反動で減少したと考えられる)。
さらに下の表のように、外国人観光客延べ宿泊者数の全国順位の推移をみますと、群馬県以外の北関東圏は2012年ごろから徐々に順位を落としており、外国人宿泊客を圏外に奪われている状況が見えてきます。
2012年10月- 2013年9月 |
→ | 2015年10月- 2016年9月 |
→ | 2016年10月- 2017年9月 |
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群馬県 | 30位 | → | 33位 | → | 30位 |
栃木県 | 22位 | → | 27位 | → | 32位 |
埼玉県 | 31位 | → | 35位 | → | 35位 |
茨城県 | 32位 | → | 30位 | → | 36位 |
(外国人観光客延べ宿泊者数の全国順位の推移。観光庁データから)
北関東圏インバウンド「ステップアップへ10の提言」
インバウンド観光は、その地域の将来を支える大切な産業です。
その地域のインバウンド産業が伸びないと、超少子高齢化の影響で生産人口が減り続ける数十年先から百年先にその地域が破綻したり、今のように地域住民を支えられなくなる可能性があります。
また、地方のインバウンド産業を強化するためには行政と民間の両方の力が必要ですが、北関東圏の行政のインバウンド観光予算は、他の地域と比べると少ないという別の課題もあります。予算がないことを理由に新しいインバウンドの施策ができないと、北関東圏のインバウンド産業が弱体化してしまう危険性があります。そこで外国人観光客を呼び込み、滞在を伸ばし、宿泊してもらうために、低予算でも出来るインバウンド施策を早急に考える必要があると思います。
以下のインバウンド観光に関する「ステップアップへ10の提言」は、弊社がこれまで海外や国内のインバウンド施策を見たり、外国人目線で北関東圏の観光地を訪ねたりした経験に加え、低予算でも始められる施策を意識しながら作成したものです。ご参考にして頂けると幸いです。
北関東圏インバウンド 「ステップアップへ10の提言」
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外国人観光客の宿泊日数をもっと意識しよう
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二次交通の課題の解消にレンタカーを活用しよう
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アジアの他にも滞在日数の長い欧米豪向けのプロモーションにも力を入れよう
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北関東圏を日本一のウェルネス観光地として整備し、海外に発信をしよう
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西日本の観光地やゴールデンルートに対するライバル心も必要。「この瞬間なら日本一」「東京にないもの」を整備し、海外に売り込もう
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訪日客が充実した旅を楽しめるように英語化や多言語化をもっとすすめよう
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デジタルマーケティング(ニューメディア)にもっと力をいれよう
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海外の声や世界の旅行トレンドに耳を向け、海外SNSや海外メディアからも情報収集をしよう
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長期訪日旅行者が利用する東京のホステルなどへ積極的に営業をしよう
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県内のALT(英語の先生)をもっと活用しよう
それぞれの提言につきましては、今後当ブログでひとつづつ取り上げていく予定です。
弊社メルマガにご購読頂くと、その週に発行されたブログを紹介いたしますので、それぞれの提言について詳しい内容を知りたい方は、ぜひこちらから弊社メルマガをご購読ください。
まとめ
北関東にお住まいの方でも、自分たちの県は外国人観光客延べ宿泊者数が伸び悩んでいるという印象を持っている方は少ないのではないでしょうか。
その理由として、北関東圏は日帰り客の割合が高いため、町で見かける外国人の日帰り観光客を宿泊客だと思い込んでいることがあります。また、インバウンド観光客が爆発的に増えた経験がないため、まだまだ多くの外国人観光客に来て頂けるポテンシャルがあることに気がついていないことがあります。
繰り返しになりますが、私は北関東圏のインバウンド観光は今が正念場だと感じております。
北関東圏は、観光魅力を豊富に持っており、インバウンド観光に関して大きな可能性を秘めていますが、後手にまわるようなインバウンド施策では外国人観光客数を増やすことが年々難しくなっていくことを危惧しております。
今回は、このような危機感から北関東圏のインバウンド観光を推進するための「10の提言」を作成させていただきましたが、国内でまだやっていないようなアイディアも含まれております。もし不明瞭な内容がありましたら、お手数ですが、お気軽にご連絡ください。
また皆様の状況によって最適な施策は変わりますので、細かい施策やアドバイスに関してはヒアリングをさせていただいた上で、インバウンド施策に関するアドバイスを提供させていただくことも可能ですので、ご相談事などがございましたら、お気軽にお知らせください。
ブログ作成者:宮地アンガス
ジャパン・ワールド・リンク株式会社 代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「世界から北関東へ。北関東から世界へ。」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。
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