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北関東圏インバウンド提言:その1「外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)をもっと意識しよう」

北関東圏インバウンド提言:その1「外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)をもっと意識しよう」

今年の新年に、北関東圏インバウンド「ステップアップへ10の提言」』というテーマで書かせて頂きましたが、今回は、1つ目の提言である「外国人観光客の宿泊日数をもっと意識しよう」について、外国人観光客の宿泊日数を意識することが大切な理由と、北関東圏の各県別外国人延べ宿泊者数データを調べる方法をご紹介致します。

そもそも、インバウンド(訪日観光)ってなぜ大切なの?

「訪日観光客が、過去最高の2,869万人を達成した」というニュースや、「訪日観光客、2020年までに4,000万人へ」という見出しを、新聞やテレビの報道等でご覧になっていると思います。

「インバウンド」という言葉も、全国の日本人にとって日常用語になりつつあります。毎日のように見たり聞いたりする言葉ですので、「皆が言うんだから、きっと大切なんだろう」とか、「2020年の東京オリンピックのおもてなしのためになんとかしないとね」という感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、インバウンド(訪日観光)が大切な理由は、東京オリンピックの開催とは無縁なのです。

その理由は、日本で起こっている超少子高齢化です。すでに地方のほぼ全ての市町村で生産人口が減り始めていますが、2040年には、全国1800市区町村のうち、半分が存続できなくなると指摘されています(日本経済新聞記事)。

日本の人口が減りますと、日本人だけに商品やサービスを売っている事業の経営が苦しくなります。そのような事業が多いの市町村は税収が減少し、夕張市のように財政破綻(夕張市破綻から10年…記事)をするなど、住民が大変な思いをする場所が全国で増える可能性があります。

そこで、地方が海外からお金を「稼ぐ方法」として、「インバウンド(訪日観光)」が重要視されているのです。

2,867万人という数字は一体を意味しているのか?

2017年は、1年間で2,869万人の外国人観光客が日本を訪れました。2013年に初めて1,000万人を超えたことを考えると、これは誇るべき数字でございます。

しかし同時に、この数字は観光やビジネスの目的で日本に入国した人数でしかありません。

北関東圏のどこでどれ位のお金を使ってくれたかは、この数字を見ても参考になりません。国全体の指標として意味がある数字ですが、自分たちの地域で海外からのお金(外貨)が落ちているのかを確認するためには役に立たない数字なのです。

「海外から稼ぐ力」

どうしたら、自分たちの地域にお金(外貨)が落ちているのか確認出来るのでしょうか?

あるいは自分たちの地域への「インバウンド(訪日観光)」が順調に伸びているか確認する方法はないのだろうか?

ひとりひとりの外国人旅行者の消費行動を把握することは、難しいものがあります。クレジットカード会社等に分析を頼むことが出来たとしても現金支払いの把握は不可能であるため、非常に困難です。

そこで、滞在時間と消費額の関係に目を向けてみたいと思います。沖縄とハワイを比較した興味深い記事もございますが、滞在時間が長ければ長いほど、観光客はその場所にお金を落とします。同じ人が1分でも長く滞在すれば、そこにもっとお金が落ちる可能性が高まるのです。

ちょっと立ち寄っただけでは、コーヒー1杯分くらいしかお金が落ちないこともありますが、1泊すれば、宿泊代はもちろん、2〜3食分の食事を食べますし、入場料やタクシー・バスの交通費を支払ったり、お土産を買ったり、アルコールを消費したり、様々な方法で地元にお金が落ちはじめるのです。そこで、外国人観光客の宿泊日数が分かれば、その地域に訪日客がどれくらい滞在したかがわかり、その延べ日数(滞在時間)に比例し、その地域に外貨が落ちているか確認出来るのです。

日本国内では、国内に住所を有しない外国人は、宿泊施設にパスポートを提示する義務がありますので、市町村や県、観光庁は日本全国の宿泊施設から外国人の宿泊データを集め「外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)」を公開しています。

このデータを分析することで、季節などのトレンドが調べられたり、前年や他の地域との比較により、インバウンドを通してその地域の「海外から稼ぐ力」がどう変化しているかが分かるのです。

外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)の調べ方

以上のように、北関東圏の各地の「海外から稼ぐ力」を強めるためには、外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)を意識し、各地域ごとに目標を立てることが大切なのです。

そこで、観光庁のウェブサイトから、毎月更新される全国都道府県の外国人延べ宿泊者数の最新データを入手する方法をご紹介します。

ステップ ①:下のURL(観光庁の宿泊旅行統計調査ページ)を開く。

http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/shukuhakutoukei.html

ステップ ②:調査結果の項目にある、「集計結果(推移表)」をクリックし、Excelファイルをダウンロードする。

ステップ ③:ダウンロードしたExcelファイルを開き、「2-2」のタブをクリックすると、2011年1月から直近の月までの各月の都道府県別外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)のデータを入手できます。このデータを分析することで、特定の都道府県の直近1年間のインバウンド数を調べたり、全国の順位を割り出したりすることができるのです。

*『2018年、北関東圏インバウンドステップアップ宣言!ジャパン・ワールド・リンクからの「10の提言」』で公表している群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県の外国人延べ宿泊者数の全国順位はこのデータを使っております。

さて、北関東圏(群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県)のうち、栃木県は県のホームページで県内の各市町の外国人宿泊数を閲覧することもできますので、栃木県内を詳しくお調べになりたい場合には、こちらの栃木県庁のホームページをご覧ください。

栃木県:http://www.pref.tochigi.lg.jp/f05/houdou/kankochidukuri/irikomisyukuhaku2016.html

まとめ

外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)を意識し、こまめに分析することで、自分たちの地域の「海外から稼ぐ力」が順調に伸びているのか確認することができます。

このように、外国人観光客に関するデータのなかでも、外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)は、非常に重要なデータです。

停滞気味である北関東圏のインバウンドを向上するための提言として、もし地域の外国人観光客の宿泊日数(外国人延べ宿泊者数)を意識されていらっしゃらないなら、外国人延べ宿泊者数のデータを集め、その数字を高めることを目指してみてはいかがでしょうか。

今後のブログでは、他の提言につきまししてもそれぞれ詳しく紹介する予定ですが、他の提言にご興味がある方は『北関東圏インバウンド「ステップアップへ10の提言」』をぜひご覧になってみてください。

ジャパン・ワールド・リンクのブログ プロフィール画像 宮地アンガス

ブログ作成者:宮地アンガス

ジャパン・ワールド・リンク株式会社 代表。栃木県の田舎町育ち。現在英国・ロンドンを拠点として「世界から北関東へ。北関東から世界へ。」をモットーに、日本・北関東のインバウンド及び海外進出を支援中。

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